当 稲荷神社(宇喜田稲荷神社)は、旧西宇喜田村(現・宇喜田町・北葛西・西葛西・中葛西にまたがる地域)の氏神様※1です。
神社近辺は慶長期に小田原北条氏家臣・宇田川喜兵衛定氏が開拓した地域であり、後に『宇喜田(うきた)』と呼ばれるようになりました。寛永20年(1643)に当神社が創建されたと伝えられています。
ご祭神は豊受姫神(トヨウケヒメノカミ)であり、元々食物を司る神様です。その『豊かさ』・『繁栄』をもたらす御神徳から、農業漁業はもとより商業・工業の神、生産の神、あるいは地元の守り神として400年近く崇敬されてきました。明治初めには社格が『村社』に列格されました。また、境内には末社(まっしゃ)※2として黄金山神社(こがねやまじんじゃ)・弁天社(べんてんしゃ)が祀られております。
地元の産業としては明治期に海苔業が盛んになり、その業績を顕彰する記念碑が境内に残っています。記念碑の隣には『力石(ちからいし)』という江戸〜明治にかけて力自慢に用いた大きな石が12体奉納されていて、江戸川区の有形民俗文化財として登録されています。
境内は昭和50年代の周辺区画整理事業に伴い、土盛工事・社殿増改築・玉垣工事等を大規模に行い、ほぼ現在の形になりました。景色は一変してしまいましたが、3月の初午祭、9月の例祭は変わりなく行われ、ご社殿をはじめ石灯篭、手水鉢、力石などで往時の神社を偲ばせることができます。
※1 氏子町会について
当神社は次にあげる9つの町会(自治会)の方々にお支
えいただいております。
・宇喜田三角自治会 ・拾四軒自治会 ・中組町会
・宇喜田十軒自治会 ・七軒自治会 ・棒茅場自治会
・六軒町自治会 ・宇喜田十八軒自治会 ・宇喜田新町自治会
※2 境内末社について
黄金山神社 ご祭神 金山毘古神(カナヤマビコノカミ)
金山毘賣神(カナヤマヒメノカミ)
ご神徳 鉱山・工業・生産・金銀財宝の神様
弁 天 社 ご祭神 市杵嶋姫神(イチキシマヒメカミ)
ご神徳 水・海上安全・福徳財宝の神様
両社は平成11年に境内奥から遷座し、お社を再建し
ました。
平成17年に鳥居が奉納されました。